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カピトリーノ美術館のコレクションの傑作が勢揃い。「永遠の都ローマ展」が東京都美術館にて9/16から開催


  • 東京都美術館 〒110-0007 東京都台東区上野公園8-36 Taito City, Tokyo, 110-0007 Japan (マ⁠ップ)

カピトリーノ美術館のコレクションの傑作が勢揃い。「永遠の都ローマ展」が東京都美術館にて9/16から開催

東京都美術館(東京・上野公園)では、「永遠の都ローマ展」(主催:公益財団法人東京都歴史文化財団 東京都美術館、毎日新聞社、NHK、NHKプロモーション)を2023年9月16日(土)から12月10日(日)まで開催いたします。

永遠の都ローマー二千年を超える栄えある歴史と比類なき文化は、古代には最高神をまつる神殿がおかれ、現在はローマ市庁舎のあるカピトリーノの丘を中心に築かれました。その丘に建つカピトリーノ美術館は、世界的にもっとも古い美術館の一つに数えられます。同館のはじまりは、ルネサンス時代の教皇シクストゥス4世がローマ市民に4点の古代彫刻を寄贈したことにさかのぼります。古代遺物やヴァチカンに由来する彫刻、またローマの名家からもたらされた絵画など、その多岐にわたる充実したコレクションは、古代ローマ帝国の栄光を礎に、ヨーロッパにおける政治、宗教、文化の中心地として発展したローマの歩みそのものにも重ねられます。
本展は、カピトリーノ美術館の所蔵品を中心に、建国から古代の栄光、教皇たちの時代から近代まで、約70点の彫刻、絵画、版画等を通じて、「永遠の都」と称されるローマの歴史と芸術を紹介します。
なお、2023年は、日本の明治政府が派遣した「岩倉使節団」がカピトリーノ美術館を訪ねて150年の節目にあたります。使節団の訪欧は、のちの日本の博物館施策に大きな影響を与えることになりました。この節目の年に、ローマの姉妹都市である東京、さらに福岡を会場として、同館のコレクションをまとめて日本で紹介する初めての機会となります。


■ メッセージ

東京都美術館と福岡市美術館で「永遠の都ローマ展」を開催します。
1471年にその歴史をさかのぼるカピトリーノ美術館は、世界でもっとも古い公立美術館の一つとされます。19世紀には日本の岩倉使節団が訪問した歴史があり、日本とも深いかかわりのある美術館です。
本展は、カピトリーノ美術館の歴史をたどりながら、由緒あるコレクションの変遷を紹介するものです。18世紀に収蔵されたアルバーニ枢機卿に由来するコレクションや絵画館が収蔵するルネサンス時代から18世紀に至る巨匠たちの優れた作品など、豊富なコレクションのなかから選りすぐりの作品をご覧いただきます。
日本の皆様のご来場を心よりお待ちしています。

ローマ市文化財監督官
クラウディオ・パリージ・プレシッチェ



■ 永遠の都ローマ展 開催概要

東京展
● 場所:東京都美術館(東京・上野公園)
    (〒110-0007 東京都台東区上野公園8-36)
● 会期:2023年9月16日(土)〜12月10日(日)
● 休室日:月曜日、9月19日(火)、10月10日(火)
     ※ただし、9月18日(月・祝)、10月9日'(月・祝)は開室
● 開室時間:9:30~17:30、金曜日は9:30~20:00 (入室は閉室の30分前まで)
● 観覧料(税込): 【当日券】一般:2200円、大学生・専門学校生:1300円、65歳以上:1500円 
         【前売券】一般:2000円、大学生・専門学校生:1100円、65歳以上:1300円        
        ◆土日・祝日のみ日時指定予約制(当日の空きがあれば入場可)
        ◆詳細は8月中旬頃、公式サイトに掲載予定
● 主催:公益財団法人東京都歴史文化財団 東京都美術館、毎日新聞社、NHK、NHKプロモーション
● 共催:ローマ市、ローマ市文化政策局、ローマ市文化財監督局
● 後援:駐日イタリア大使館
● 協賛:JR東日本、大和ハウス工業、DNP大日本印刷
● 協力:ITAエアウェイズ、日本貨物航空
● 問い合わせ先:050-5541-8600(ハローダイヤル)




福岡展
● 場所:福岡市美術館(福岡市中央区大濠公園1-6)
● 会期:2024年1月5日(金)〜 3月10日(日)
● 主催:福岡市美術館、毎日新聞社、NHK福岡放送局、NHKエンタープライズ九州
● 共催:ローマ市、ローマ市文化政策局、ローマ市文化財監督局
● 後援:駐日イタリア大使館
● 協賛:JR東日本、DNP大日本印刷
● 協力:ITAエアウェイズ、日本貨物航空

● 展覧会公式HP https://roma2023-24.jp
● 展覧会公式Twitter https://twitter.com/roma2023_24


■ みどころ

⒈永遠の都、二千年の美をめぐる
建国神話にはじまり、古代ローマ時代の栄光、芸術の最盛期を迎えたルネサンスからバロック、そして芸術家たちの憧れの地となった17世紀以降の時代まで、「永遠の都」ローマをめぐり生み出された壮大なる美の歴史をたどります。

⒉必見!カピトリーノ美術館のコレクション
教皇のコレクションを核に設立され、1734年に一般公開が始まったカピトリーノ美術館は、世界的にもっとも歴史の古い美術館の一つに数えられます。ローマの観光地としても人気の高い同館のコレクションの中から選りすぐりの名品をご覧いただけます。

⒊頭部だけで約1.8メートル!迫力の巨大彫刻
古代ローマ帝国の栄華を象徴する《コンスタンティヌス帝の巨像》。本展ではその一部を原寸大で複製した作品を展示します。迫力ある巨大彫刻を間近でご覧いただき、ローマ皇帝だからこそなしえたダイナミックな古代芸術を体感してください。

4. 門外不出の傑作《カピトリーノのヴィーナス》、奇跡の初来日!
古代ローマ彫刻の傑作《カピトリーノのヴィーナス》が来日します。カピトリーノ美術館以外では滅多に見ることができない門外不出の作品です。※東京展のみ展示

 

● 第1章 ローマ建国神話の創造

《カピトリーノの牝狼(複製)》ローマ市庁舎蔵
©Roma, Sovrintendenza Capitolina ai Beni Culturali / Archivio Fotografico dei Musei Capitolini

第1章では、ローマのシンボルともいえる作品「カピトリーノの牝狼」を出発点として、古代ローマの建国を伝える伝承や神話を紐解きます。ローマ建国神話は、ウェルギリウスの叙事詩 『アエネアス』 のなかで、ギリシアのトロイアを脱出し、苦難の末にイタリアに上陸した勇者アエネアスの子孫たちの歴史として語られています。そのエピソードの代表格といえるのが、軍神マルスと巫女レア・シルウィアの間に生まれた双子ロムルスとレムスを育てる牝狼の物語です。本展では、乳を飲む双子の彫像が付け加えられた《カピトリーノの牝狼(複製)》を展示します。同作の修復をめぐる研究成果を踏まえつつ、建国神話を表わす古代彫刻やメダルなどを通して、その表現の伝統をたどります。

● 第2章 古代ローマ帝国の栄光

《イシスとして表わされたプトレマイオス朝皇妃の頭部》 紀元前1世紀から紀元後1世紀 大理石
カピトリーノ美術館分館モンテマルティーニ美術館蔵 
©Roma, Sovrintendenza Capitolina ai Beni Culturali / Archivio Fotografico dei Musei Capitolini

《コンスタンティヌス帝の巨像の頭部(複製)》 ローマ文明博物館蔵 
©Roma, Sovrintendenza Capitolina ai Beni Culturali / Archivio Fotografico del Museo della Civilità Romana

古代ローマ帝国は、紀元前1世紀、ユリウス・カエサルとその遺志を継いだオクタウィアヌス(後のアウグストゥス)が礎を築き、続く数々の皇帝たちによって繁栄しました。本章では、歴代ローマ皇帝の肖像をはじめ、ローマ帝国ゆかりの女性たちの肖像など、それぞれの「時代の顔」を通じて栄光の時代をたどります。加えて、帝国の栄華を象徴する、《コンスタンティヌス帝の巨像》の一部を原寸大複製で展示します。頭部だけで高さ約1.8メートルのスケールをもつ巨像は、カピトリーノ美術館誕生のきっかけにもなった重要な彫像の一つです。本展では、巨像の頭部、足、球体を持つ手、さらにルーヴル美術館で近年発見された人差し指の複製をあわせて展示します。

● 第3章 美術館の誕生からミケランジェロによる広場構想

エティエン・デュペラ《カンピドリオ広場の眺め》 1569年 エッチング ローマ美術館蔵 
©Roma, Sovrintendenza Capitolina ai Beni Culturali / Archivio Fotografico del Museo di Roma

《ローマ教会の擬人像》 13世紀初頭 モザイク、象眼 ジョヴァンニ・バッラッコ古代彫刻美術館蔵
©Roma, Sovrintendenza Capitolina ai Beni Culturali / Archivio Fotografico del Museo Barracco

1471年、時の教皇シクストゥス4世は、教皇宮殿前に置かれていた《カピトリーノの牝狼》や《コンスタンティヌス帝の巨像》を含む古代ブロンズ彫刻4点を、ローマ市民に返還するという名目で寄贈し、カピトリーノの丘の中庭に設置しました。 これが現在のカピトリーノ美術館コレクションの前身です。その後、16世紀に巨匠ミケランジェロがカピトリーノの丘の頂にカンピドリオ広場を建設するプロジェクトを手がけました。こうして広場と建築群からなる現在の美術館複合体は、都市ローマの壮麗さを体現する現在の姿にいたりました。本章では、美術館の起源からミケランジェロの都市計画までの展開を絵画、版画等を通してご紹介します。

● 第4章 絵画館コレクション

ドメニコ・ティントレット《鞭打ち》 17世紀 油彩、カンヴァス カピトリーノ美術館蔵  
©Roma, Sovrintendenza Capitolina ai Beni Culturali / Archivio Fotografico dei Musei Capitolini

カラヴァッジョ派の画家《メロンを持つ若者(嗅覚の寓意画)》 1625-30年頃 油彩、カンヴァス 
カピトリーノ美術館蔵 
©Roma, Sovrintendenza Capitolina ai Beni Culturali / Archivio Fotografico dei Musei Capitolini

1734年、教皇クレメンス12世により、それまでカピトリーノの建物群におさめられていた膨大なコレクションが一般公開され、公立美術館としての歴史が始まりました。その後、1748年から1750年にかけて、教皇ベネディクトゥス14世の尽力により、サッケッティ家とピオ・ディ・サヴォイア家というイタリア名家旧蔵の絵画コレクションが収集され、絵画館が設立されました。本章では、絵画館コレクションより、 16世紀から18世紀に活躍した画家たちの作品を中心に紹介します。当時の芸術のパトロンたちがどのような絵画を好み、収集していたのか、また、当時のイタリアではどのような画家たちが活躍し、どのような画題や表現が主流だったかを知る貴重な機会となるでしょう。

第5章 芸術の都ローマへの憧れー空想と現実のあわい

ジョヴァンニ・バッティスタ・ピラネージ《アッピア街道とアルデアティーナ街道の交差点(〈ローマの古代遺跡〉第2巻より)》 1756年頃 エッチングとエングレーヴィング ローマ美術館蔵
©Roma, Sovrintendenza Capitolina ai Beni Culturali / Archivio Fotografico del Museo di Roma

《マイナスを表す浮彫の断片》1世紀  大理石 カピトリーノ美術館蔵 
©Roma, Sovrintendenza Capitolina ai Beni Culturali / Archivio Fotografico dei Musei Capitolini

古代遺跡の宝庫である都市ローマは、17世紀以降、「グランドツアー」などを介してイタリア内外の芸術家たちの芸術的霊感源となりました。古代建築やその装飾は、彼らの自由な発想によって、はるかな時を越えてよみがえり、多くの傑作を生みだしました。本章では、古代記念碑「トラヤヌス帝記念柱」をモティーフとする版画や模型、ピラネージ、ファン・ウィッテル、カノーヴァらの名品を紹介します。ヨーロッパの歴史、文化の源泉として、外国人芸術家やナポレオン皇帝をはじめとする時の為政者を魅了したローマ美術の再解釈をめぐって、鑑賞者もまた思索や夢想へと誘われることでしょう。

● 特別展示 カピトリーノ美術館と日本

《ディオニュソスの頭部》 2世紀中頃 大理石 カピトリーノ美術館蔵
©Roma, Sovrintendenza Capitolina ai Beni Culturali / Archivio Fotografico dei Musei Capitolini

カピトリーノ美術館は実は日本とゆかりの深い美術館です。ちょうど150年前にあたる1873年、明治政府が欧米に派遣した岩倉使節団がカピトリーノ美術館を訪れました。欧米の本格的な博物館を視察した彼らの経験は、日本の博物館政策や美術教育にも影響を与えることになります。1876年に日本最初の美術教育機関として工部美術学校が設置され、国外から指導者たちが招聘されると、イタリア各地の施設が所有していた古代彫刻にもとづく石膏像が指導教材として日本に持ち込まれました。そのなかにはカピトリーノ美術館の石膏像も含まれていました。特集展示では、カピトリーノ美術館と日本の交流を、版画やパネル、石膏像を通じて紹介します。

● カピトリーノのヴィーナス 奇跡の初来日

《カピトリーノのヴィーナス》 2世紀 大理石 カピトリーノ美術館蔵
©Roma, Sovrintendenza Capitolina ai Beni Culturali / Archivio Fotografico dei Musei Capitolini 
※東京会場限定展示

古代ギリシア最大の彫刻家プラクシテレスの女神像(前4世紀)に基づく2世紀の作品。ヴィーナス像に典型的な恥じらいのポーズをとる。ミロのヴィーナス(ルーヴル美術館)、メディチのヴィーナス(ウフィッツイ美術館)に並ぶ古代ヴィーナス像の傑作として知られています。カピトリーノ美術館以外では滅多に見ることができない門外不出の作品です。
※東京展のみ展示

● カピトリーノ美術館

カンピドリオ広場のカピトリーノ美術館 ©Roma, Sovrintendenza Capitolina ai Beni Culturali

カピトリーノ美術館は、ローマの7つの丘の一つ、カピトリーノの丘(カンピドリオの丘)に建つ美術館です。この丘は、古代には最高神ユピテルら神々を祀る神殿がそびえ、古代ローマの栄光を象徴する聖域でした。
カピトリーノ美術館のはじまりは、1471年に教皇シクストゥス4世が《カピトリーノの牝狼》をはじめとする4点の古代彫刻をローマ市民に寄贈したことにさかのぼります。これらを核に、ローマで発掘された古代遺物やヴァチカンに由来する彫刻、またローマの名家が所有する美術品が加えられ、1734年、教皇クレメンス12世の時代に一般に向けて公開されるようになりました。18世紀半ばには絵画館が設立され、さらにはイタリア共和国の首都となったローマ全域から発掘された古代遺物の収集が進み、充実したコレクションが築かれました。
カピトリーノ美術館をなす主要な建物は、ミケランジェロによって設計されたカンピドリオ広場に面するパラッツォ・デイ・コンセルヴァトーリと、17世紀に建設されたパラッツォ・ヌオーヴォです。《カピトリーノのヴィーナス》や《マルクス・アウレリウス騎馬像》など古代彫刻の傑作をはじめ、ピエトロ・ダ・コルトーナらローマ・バロックの優れた作品を含む中世から18世紀までの絵画、そして貨幣やメダル、宝飾品など、歴史あるローマならではの多岐にわたるコレクションを収蔵、展示しています。


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