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現代美術家・横尾忠則の新作を展示する「横尾忠則 寒山百得」展が、東京国立博物館で9月12日(火)より開催。


  • 東京国立博物館 本館特別1室 〒110-8712 東京都台東区上野公園13−9 Taito City, Tokyo, 110-8712 Japan (マ⁠ップ)

「横尾忠則 寒山百得」展東京国立博物館にて2023年9月12日(火)~12月3日(日)開催。

現代美術家・横尾忠則が、寒山拾得を独自の解釈で再構築した「寒山拾得」シリーズの完全新作101点を一挙初公開。

ご挨拶
 このたび、東京国立博物館、読売新聞社、文化庁は、「横尾忠則 寒山百得 」展を、東京国立博物館 表慶館にて開催する運びとなりました。
本展は、現代美術家・横尾忠則が、寒山拾得を独自の解釈で再構築した「寒山拾得」シリーズの完全新作101点を一挙初公開するものです。このシリーズは、寒山と拾得という、中国、唐の時代に生きた伝説的な2人の詩僧をテーマとしたものです。 彼らはその奇行ぶりから「風狂」ととらえられ、日本、中国では伝統的な画題となりました。
  新型コロナウィルス感染症の流行の下、横尾は、寒山拾得が達した脱俗の境地のように、俗世から離れたアトリエで創作活動に勤しみ、まさに時空を超越し、あらゆる世界を縦横無尽に駆け巡りました。描き出された寒山拾得からは、めくるめく物語が紡ぎ出されています。画家活動の最大のシリーズとなる「寒山拾得」は百面相のように、 観る人にさまざまな問いを投げかけることでしょう。

企画趣旨

「横尾忠則 寒山百得」展は、現代美術家・横尾忠則の畢生の大シリーズ「寒山拾得」を一挙に公開する展覧会です。寒山拾得は、中国・元時代から日本の中近世、近代そして、現代にまで数百年の時代を通し、多くの人々を惹きつけてきました。横尾は寒山拾得を独自に解釈し、さまざまな造形を生み出すことで、新たな寒山拾得像を切り拓いています。横尾はまさに絵画史の先端に位置し、寒山拾得を描いているのです。
  さまざまな困難な状況に囲まれた現代社会の私たちを取り巻く世界と、そのなかで生きる術と思いを、「寒山拾得」が照らし出す精神のあり様を通して、見つめなおす機会となれば幸いです。

■開催概要

「横尾忠則 寒山百得」展
● 会期 : 2023年9月12日(火) ~ 12月3日(日)
● 会場 : 東京国立博物館 表慶館

特集「東京国立博物館の寒山拾得図―伝説の風狂僧への憧れ―」
● 会期 : 2023年9月12日(火) ~ 11月5日(日)
● 会場 : 東京国立博物館 本館特別1室

● 開館時間 : 午前9時30分 ~ 午後5時
※入館は閉館の30分前まで
● 休館日 : 月曜日、9月19日(火)、10月10日(火)
※ただし9月18日(月・祝)、10月9日(月・祝)は開館

主催 : 東京国立博物館、読売新聞社、文化庁
特別協賛:キヤノン、大和証券グループ、三井不動産、
三菱地所、明治ホールディングス
協賛 : JR東日本、清水建設、竹中工務店、三井住友銀行、三菱商事
協力 : J - WAVE (「横尾忠則 寒山百得」展のみ )

観覧料等の情報は、確定し次第、展覧会公式サイト等でお知らせします。
展示作品、会期、開館時間等については、今後の諸事情により変更する場合があります。
最新情報は、展覧会公式サイト等でご確認ください。
公式サイト : https://tsumugu.yomiuri.co.jp/kanzanhyakutoku
公式Twitter : @kanzanhyakutoku

展覧会のみどころ

3年に渡る制作活動によって生み出された、横尾忠則畢生のシリーズ「寒山拾得」 は、まさに画家の自由な精神活動の中で描き出されました。テーマとなった寒山拾得がさまざまに形を変えながら、時空をも超越していきます。寒山拾得が身にまとうものや、手にするもの、そして彼らの振る舞いが、画家の精神のめくるめく冒険のなかで、 一日一日、広大な宇宙を逍遥していきます。時には歴史的な人物と重なり、さらには現世を生きる人々にも邂逅しています。
 このシリーズでは、制作当初から最終作まで、いくつかのモティーフが一連のフェーズを作り出し、その対象を変えながら、寒山拾得を彩っています。横尾は特定のメッセージを示すことを目的とせず、自らの精神に身を委ねながら、湧き出る形象をキャンバスに定着させていったのです。つまり横尾の描いた寒山拾得を前にした人々は、彼らをみて如何なる想いが心に浮かんだとしても、それすらも自由であるのです。
 寒山拾得という存在そのものの変容のみならず、画風さえも百花繚乱のごとく様相を変えています。その変化のありさまを一気に目にした人々は、あたかも画家の絵筆のうねりと重なりながら、一切の束縛がない世界を体感することになるでしょう。

■横尾忠則 よこお・ただのり

美術家。1936年兵庫県生まれ。72年ニューヨーク近代美術館で個展。その後もパリ、ヴェネツィア、サンパウロなど各国のビエンナーレに出品し、ステデリック美術館 (アムステルダム)、カルティエ財団現代美術館(パリ)、ロシア国立東洋美術館(モスクワ)など世界各国の美術館で個展を開催。また、東京都現代美術館、京都国立近代美術館、金沢21世紀美術館、国立国際美術館など国内でも相次いで個展を開催し、 2012年神戸市に兵庫県立横尾忠則現代美術館、13年香川県に豊島横尾館開館。 95年毎日芸術賞、11年旭日小綬章、朝日賞、15年高松宮殿下記念世界文化賞、令和2年度東京都名誉都民顕彰、23年日本芸術院会員。著書に小説『ぶるうらんど』 (泉鏡花文学賞)『言葉を離れる』(講談社エッセイ賞)小説『原郷の森』ほか多数。



 

■展示作品を一部紹介

■「寒山拾得」とは?

寒山と拾得は中国、唐時代に生きた伝説的な詩僧で、世俗を超越した奇行ぶりは 「風狂」ととらえられました。中国禅宗では、悟りの境地として「風狂」が重要視されましたが、寒山拾得の脱俗の境地は、仏教に通じるものとして、中国や日本で伝統的な画題として数多く描かれてきました。
 その世俗にとらわれない暮らしぶりは、森鷗外や夏目漱石といった日本の近代文学にも取り上げられています。高い教養を持つ文人であるにも関わらず、洞窟の中に住み、時には残飯で腹を満たすと言った脱俗的な振る舞いは、世俗世界の現実からの逃避に憧れを抱いた知識人たちを魅了したのでしょう。

■ 関連企画

特集「東京国立博物館の寒山拾得図― 伝説の風狂僧への憧れ― 」 について
東京国立博物館が誇る、中国、日本で描かれた「寒山拾得図」を一堂に集めた特集を開催します。各時代に描かれた寒山拾得のさまざまな表現を通して、人々が寒山拾得を見つめた様相をご紹介します。

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