イベントレポート hello, popup vol.03 『 Imitated 』
ただ模倣するのではなく、自分自身の世界観と他社の世界観を比較し、型を破ることで独自の新たな創造を見い出すーーー
古いものと新しいものや、全く異なる素材のそれぞれの要素、を組み合わせることで新しい価値を生み出すブランドがあります。
今回のテーマ、Imitatedにちなんで、ファッションブランド Ankto・金子 晶透さん(@ankto613)とアクセサリーブランド arrow mouth・矢口 捺海さん(@arrow__mouth)と展示を開催しました。
会場には、作品と一緒におふたりが実際に使っている道具をお持ちいただきました。どのような道具や作業過程で作品が生まれるのか、日頃見られない制作の裏側を覗くことができました。
■ファッションブランドAnkto・金子 晶透さんにインタビュー
ーブランドを始めたきっかけとコンセプトを教えてください
大学を卒業してからフリーで衣装の仕事をしていたんですが、個人名で仕事をするよりもブランドがあったほうが仕事をしやすいと思い、立ち上げました。
ヴィンテージや古着など、古いものが好きなのでそういった要素を取り込んで作っています。コレクションでは、生地感や生地の色味でシーズンの統一感を出しています。
ー今回のhello, popupのテーマは「模倣」ですが、コレクションのどういったところにテーマが含まれていますか?
21SSのコレクションは、フェルメールを模倣して作品を書いているオランダの贋作画家、ハンファンメーヘレンに影響を受けて作りました。
あとは参加にあたって、arrow mouthさんをお誘いしました。比較的近いブランド同士、お互いのいいところを真似し合えたらいいなという思いもあって一緒に参加しています。
ーワンピースなど、女性向けのお洋服が多いですね
女性向けがメインですね。服によっては男性が着られるものもあります。
ー洋服を作るにあたってのこだわりや特徴はどんなところにありますか?
デザイン画がかけないので、作るときは頭の中のイメージで図面を引くところから始めています。
着るひとによって、着方が複数パターンあるようなデザインになっています。
ー作りながら考えるということでしょうか?
そうですね。組み立てながら何度か作り直して、構造や形にこだわって作っています。
最初のイメージから、形になるまでだいたい2、3回変更を加えてます。
ー会場には製作過程の展示ということで、普段使っている道具を持ってきていただきました
刺繍に使っているミシン、生地のサンブルをいくつか持ってきました。サンプルってなかなか見る機会がないと思うので。
型紙やデザイン画も実際に使ったものを置いてます。今期のコレクションはオランダの画家に影響を受けているので、現地の建物の写真集も資料として参考にしました。
ー今回はarrow mouthさんとご一緒の出展でしたが、今後も他のブランドさんと出展してみたいですか?
そうですね。今後衣食住を扱っているブランドになっていきたいという思いがあるので、例えば家具や飲食系のブランドさんとご一緒してみたいなと思います。
■アクセサリーブランドarrow mouth・矢口 捺海さんにインタビュー
ーブランドを立ち上げたきっかけについて教えてください
大学卒業してから、数ヶ月お金を貯めて東京に引っ越してきました。そこから彫金の学校に通ったんですよね。
学校は途中でやめたんですが、そのあと自分でブランドを立ち上げました。本当はお洋服のブランドをやりたくて、縫製会社さんと製品の製作までやってたんですが自信がなくて断念しました。その後シルバーのブランドを立ち上げることにしたんですが、縫製の技法など学んだことを活かしたくて、お洋服にインスパイアされたシルバーアクセサリーというブランドコンセプトを作りました。
ー今回のhello, popup企画に参加したきっかけを教えてください
Anktoの金子さんとは大学の同期で、1ヶ月前も原宿のラフォーレで一緒にpopupをしました。
今回、OPEN NAKAMEGUROでの企画があると聞いて、一緒に参加したいとお願いしました。
ー矢口さんのほうから希望されたんですね
そうなんです。百貨店やセレクトショップでのポップアップに参加したことはあったんですが、カフェでの企画にすごく興味があって。
一緒にやらせて欲しいとお願いしました。
ーお誘いでブランドさんの共演が決まるのはpopupとしても嬉しいお話ですね!カフェでの展示はどんなところに魅力がありますか?
展示が自由なので、やりたいことがたくさんできることに魅力を感じています。今回、カップに貼るステッカーを作らせてもらったんですが、コースターも置くなど、空間づくりからコラボできるのが楽しいですね。
ー今回のテーマ「模倣」は作品のどのようなところに含まれていますか?
シルバーアクセサリーは、素材の質感や、服のモチーフやテクニックな技法を真似して作っています。レースアップやお洋服のシワなど、パッと見てかわいいと思ったものを再現するところからデザインが出来上がることが多いです。例えばサテンの生地感を表現して「シルバーなのに布っぽいデザイン」などにこだわってます。
ー本日お持ちいただいた道具は、リングを作るときに使うものですか?
そうです。シルバーを磨くときに使う道具と、あとはトンカチなどですね。リングを作るときは、棒にシルバーを巻きつけて叩いて成形します。
そのときに使うトンカチを持ってきました。
ーそうなんですね!初めて知りました、今回はAnktoさんとの共同出展ですが、他のイベントとのコラボには興味はありますか?
他のブランドさんとのコラボにはすごく興味があります。ファッションとは全く違うものとコラボするのも面白いなと思います。
私はシルバーで作品を作っているのですが、例えばガラスを扱っている方とコラボするのも面白そうですね。
【参加クリエイター(順不同)】
Ankto・金子 晶透
公式HP:https://ankto.thebase.in/
Instagram:https://www.instagram.com/ankto613/?hl=ja
arrow mouth・矢口 捺海
公式HP:https://arrowmouth.thebase.in/
Instagram:https://www.instagram.com/arrow__mouth/?hl=ja
【開催場所】
OPEN NAKAMEGURO
Instagram:@open_nakameguro
〒153-0051
東京都目黒区上目黒2-9-17
Nakameguro Crossover1F
OCTOBER 25, 2020