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【イベントレポート】マイクロプラスチックを花瓶へ 〜アートを通して環境問題を考えるアーティスト宮崎栞菜の個展「umi no kamisama」〜

マイクロプラスチックを花瓶へ 〜アートを通して環境問題を考えるアーティスト宮崎栞奈の個展「umi no kamisama」〜

今回POPAP編集部は、以前インタビューをさせて頂いたアーティスト宮崎栞奈さんの個展・ワークショップに参加して来ました。環境問題にポジティブに向き合い、新たなアートの在り方を発信する宮崎さんの更なる魅力をお伝えします。

■umi no kamisama

海を眺めていると見えてくるもの
どこまでも続く青と、うねる波
広い地平線に、大きな空

目に見えないその下には
大きな宇宙がある
沢山の命がある

見えない世界のことを想像して
小さな命たちのこと思ってみたの

そして地平線の先にいる人たちのことも

海は繋がっている

■Micro Plastics Workshop

個展期間中に開催されていたマイクロプラスチックワークショップに参加しました。
海で拾ったマイクロプラスチックなどを使って世界に1つの花瓶を製作するこのワークショップは、楽しいだけでなく環境問題について学ぶことができます。
使い道のないものたちをアートへと変身させる素敵なワークショップの様子をご紹介します。

ベースとなる瓶は、日常生活や会場となる飲食店で不要になったものを集めているそうです。
どんな花を飾るか、どこに飾るかをイメージしながら形や色などを見極めて好みの物を選びます。

よく耳にするマイクロプラスチックは、5mm以下のプラスチックのことを指しています。プラスチックゴミは海を漂いながら、紫外線や波の影響を受けて劣化と破砕を重ねて小さくなっていきます。大きなプラスチックは海岸に打ち上げられるのに対して、マイクロプラスチックは海流に乗って沖合へと運ばれてしまうため、半永久的に残ってしまいます。

このようなマイクロプラスチックを自分の手で触り、アートにしていくひとときは環境問題と向き合う大切な時間でした。

マクロプラスチックだけでなく、貝殻、シーグラス、タイル、流木、陶器など様々な種類から、自分が気に入ったものを選びます。
全て色や形が異なるので、選ぶ時間もとても楽しかったです。

海岸によって流れ着くものも異なるそうです。
神奈川県の由比ヶ浜海岸辺りは、シーグラスや貝殻が多く、茅ヶ崎の方はマイクロプラスチックが多く落ちているなど、地域によって異なります。
宮崎さんが制作したボードを通して、わかりやすく特徴を学ぶことができます。

使うアイテムが決まったら、麻紐を瓶全体に巻いていきます。

次に、手で粘土をつけていきます。粘土を握るのは小学生ぶり、懐かしい感触でした。
その後は、筆で漆喰を重ねていきます。筆の跡がしっかり残るため、塗り方でも個性がでます。

その後は自由にアイテムを貼り付けて完成!個性に溢れた花瓶が出来上がりました。

花瓶が乾くまでは、参加者の皆さんとおしゃべりを。
これまでのこと、これからのこと、環境問題との向き合い方など、初対面でありながらも”自然を大切にしたい”という想いを持ち、これからのライフスタイルと考えるきっかけになりました。

〜参加した感想〜
「世界で何が起こっているか」や「私たちに何ができるか」について、アートを通して楽しみながら考えるきっかけとなった1日でした。知っているようで知らない地球のことをアートで学ぶ、宮崎さんが模索してきた新たなアートの在り方を体験することができました。

■展示作品

「呼吸」
ただただ自由に、自分を解放した時に生まれる目に見えない感情を可視化

「umi to seikatsu」

「umi to seikatsu」

「siro」
脈があり、シワがあり、瘡蓋がある
みんな同じ「人」

「命の音、命の形」
その音はどこか懐かしく、心地よく
その形は幻のようで愛おしい

「telepathy」
心はきっと繋がってる

■私たちの生活と環境問題

ワークショップの前後で読むことができたこちらのフリーマガジンは、宮崎さんのご友人が制作したものだそうです。イラスト、図、写真などを使って、わかりやすく環境問題を学ぶことができます。HPでも記事が閲覧することができるので、ぜひ閲覧してみてください。

記事によると、私たちが1週間に摂取するマイクロプラスチックの量はクレジットカード1枚分。生活の中で廃棄したプラスチックは、魚や鳥などの海洋生態系に影響を与えるだけでなく、巡り巡って私たち自身の体へと戻って来ます。現在のペースで海洋汚染が進むと2050年までに120億トン以上のプラスチックが廃棄されると推計され、海洋に存在するプラスチックの量は魚の量を上回るという試算が報告されているそうです。

『フリーマガジン UPCYCLE』

今日から出来る環境保全のアクション、「アップサイクル」の全貌が明らかになるフリーマガジン。今の地球は、人間の「選択」によって作られた姿。地球をより良くするためには、我々一人ひとりの「選択」を見直す必要があると考えます。誌面では、地球環境に寄り添った様々な考え方やアイデアをご紹介しています。

発行:株式会社アップサイクルジャパン 
Instagram:@upcycle.jp

■開催概要

「umi no kamisama」
・開催期間:2022年11月20日(日)〜12月2日(金)
・時間:11:00〜19:00
・定休日:月曜日(21日・28日)
・会場:Sea green KAMAKURA
・住所:鎌倉市由比ヶ浜2-22Maison d'zur 1F

■ワークショップ概要

・開催日時(各回4名)
11月20日・26日/12月2日:①13:00〜15:00
11月20日・26日:②16:00〜18:00
・参加年齢:中学生〜
・参加費:2500円(中+1000円/大+2000円)

■作家プロフィール

宮崎栞奈 
絵描き/アートパフォーマー
専門学校を卒業後、フリーランスで絵の活動を開始。自然や空想、命あるもの、その時の空気の色や感覚を絵で表現。また、環境問題、社会問題について考えるきっかけを作るようなアート活動をしています。個展やグループ展示、ライブペイント活動の他、CDジャケット、ロゴデザイン、グッズデザインなども行っています。絵は心の声、言葉のもっと奥深いところ絵具はおしゃべりツール。自然や空想の中に迷い込み、命あるものを探して描いています。

Lit .Link:https://lit.link/kannnna25
Instagram : @kannnna25


⚫︎今後の活動予定
2023年から神奈川県鎌倉市のミソラカフェにて、アート教室を開催予定。
詳細は随時instagramにて発信。