きっかけ:「イラストは実は副産物」
出身は新潟、それもだいぶ田舎の方だと語るonjiさん。幼少期の遊びと言えばもっぱら虫捕りか絵を描くことなど、自分で動いて得る遊び方だったという。だが不思議と不自由さは感じたことがなく、「紙とペンさえあればなんにでもなれる」という自由を楽しんでいたそう。
そんな彼がイラストを始めたきっかけは、大好きな喫茶店で仲間たちと面白いことをやってみようとなり、その時自分にできることが絵を描くことだったから。もともとグラフィックは大好きだったが、何かとハードルが高くなってしまい足踏みしていたところにやってきたワクワクに飛びこみ、イラストのInstagramをはじめてみたところPOPAPに出会い、イラストレーターとしての道も追いかけてみることにしたという。
こだわり:友達みたいな、分身みたいな、くどすぎない可愛さ。
onjiさんのイラストの特徴は丸みを帯びた柔らかいフォルム。そこには友達のような、自分の一部を切り出したような、憧れの存在を描いているという。イラストを通して新しいことに出会えた、自分の知らない世界に連れて行ってくれたという自身の体験を大切に、誰にでも受け入れてもらいやすい「赤ちゃんみたいな無垢なかわいさ」にこだわりを持つ。
POPAPは自分のかたち、アーティストとしての最初を作ってくれた場所。
1つ目は活動範囲が広がったこと。新潟に拠点を置くonjiさんにとって、都内でのポップアップや展示など、リアルでイラストを展開する場を得るのはなかなか難しかったとのこと。また、挑戦する機会の幅もPOPAPを通じてさらに広がったという。
2つ目はコンセプトや自分の頭の中でふわふわしていたものが形になり、自己理解が深まったこと。POPAPとonjiさんの初共演は2020年に開催したSHIBUYA TSUTAYAでのポップアップ。いざ参加するとなると、今までは頭の中やデータのモックアップどまりだったアイディアを実体としてアイテムに落とし込む必要がある。もともとはっきりとしたコンセプトやじぶんの「これがやりたい」に迫るきっかけを探すのは難しかったというが、イベントを通して、改めて自分のやりたいことに気づき、アーティストとしての形を描くことができたという。
ポップアップディレクター養成講座を通して。 他の人をこういうことをやっているよっていう表現をする場を、自分に気づいてもらえる機会をつくりたい。
POPAPが開催するポップアップディレクター養成講座(以後PD養成講座)第2期の卒業生でもあるonjiさん。地方で活動するなかで、機会を待っているだけではなく、自分で作り出していく必要性を感じたという。
「都内に住んでいれば活動や外と繋がる機会は多いと思うけど、地方だと機会は自分で作って行かないといけない」と感じ、自分で自分の活動場所を作り、また他の人の活動場所となり、コミュニティを、周りの人のやってみたいを応援できる機会を作る基盤をPD養成講座で得たという。
インタビューの最後にonjiさんに今後の展望をきいてみた。 静止から広げる表現方法を模索していく。
onjiさん:「表現の方に関しては、イラスとで止まりたくない。絵って止まってるもの。だけど、動きとかシンプルな表現を活かした、次の表現方法を見つけていきたい。」
他にも、イラストレーターの枠を超え、ブランド・クリエイターとしてグッズなど、もっと届けられるものを作っていきたいという。そして、FEATURE BRANDに参画している他のクリエイター・ブランドさんとのコラボや繋がりを通して、自分の可能性ももっと広げていきたいとのこと。
自分のルーツを大事に、イラストという相棒と共にアーティストの道を進み始めたonjiさんのこれからの挑戦から目が離せない。